2030年代に羽田からロサンゼルスまで2時間半で飛べる超音速旅客機が登場するかも…という話は、まるで未来の「夢の直行便」だ。飛行機の機内エンタメを楽しむ暇もなく、「はい到着しました!」なんてことになったら、それはそれで新しい旅行スタイルになるのかもしれない。空の上で映画を1本観る間もなく、「あ、もうL.A.なの?」という感じだ。
ただ、この超音速旅客機の計画は、スピード命とはいえ実現までには、やっぱり「いろいろ越えるべき壁」が山積み。まずは「環境問題」と「騒音問題」、そして「燃料代やら何やら」で、空を駆ける前に地上でいくつもの関門が待っている。どれだけ早く着けても、その分だけ地球にも負担をかけるということで、空の旅が「速さよりもエコが大事!」という流れに逆行しているのも少し不思議なところだ。
そして皮肉なことに、「たった2時間半」というスピードの裏側には、「あれこれかかる開発費用」やら「お高めの航空券」もついて回るだろう。結局、夢の超音速旅客機が飛んだとしても、それに乗れるのは「時間もお金もたっぷり余裕がある人」だけで、私たち庶民は、今までどおり普通の便で10時間ちょっとの旅を楽しむことになりそうだ。
「未来の空の旅」は確かに魅力的だけど、ふわふわ夢見心地でいたら、実際には少しばかり手の届きにくい雲の上の話になるかも。羽田からロサンゼルスが2時間半で繋がるのはワクワクするけれど、どんな未来が来ても、「急がば回れ」で楽しむゆったり旅も、忘れたくないかもしれない。