この話は確かに「興味深い」ですね。どうやら、「レプリコンワクチン」が未来の万能薬になると信じて疑わない人もいるようです。旧式のmRNAワクチンが「失敗作」とまで言われ、次に出てくるものが「完璧」であるという前提が無条件に信じられている点には驚きを隠せません。しかし、ここで立ち止まって考えてみましょう。果たして、本当に「変異追従」が簡単にできるものでしょうか?
まず、ウイルスの変異に追従するためにワクチン自体が「変異」するという発想は、まるで映画のような話ですね。ウイルスは自然界でさえ予測不能に変異し続けています。そんなウイルスに合わせて「自分も変異するワクチン」というものが、実際に思うように機能すると考えるのは、どこか夢のように感じられます。人間が体内に取り入れる物質が、外界の変異に反応して勝手に変わるというのは、安全性が確保されていると確信してよいものでしょうか。もちろん、理論上では素晴らしい発想ですが、現実には「人体内でどのような変化を引き起こすのか?」についても検証が必要でしょう。
それにしても、ウインドウズの自動更新に例えるとは、非常に「ユニーク」な視点ですね。確かに、パソコンのウイルス対策ソフトは自動で更新されますが、あくまでコンピュータのセキュリティと人体の免疫機構は異なる領域です。パソコンの自動更新に問題が発生した場合、最悪の場合でもパソコンを再起動すれば済みますが、人体内でワクチンが勝手に変異し、想定外の反応が出た場合、リセットボタンはありません。人体はコンピュータと違って「アップデートのミスで体調が悪化したから、元の状態に戻す」というわけにはいかないのです。そんな事情も踏まえつつ、慎重な姿勢が望まれるところです。
また、ハンワク派が「何も理解していない」と断言されるその自信も興味深いですね。確かに、新しい技術に対して懐疑的な人々もいますが、全てが知識不足から来ているわけではありません。新技術には必ず一定のリスクと利点があるため、医療界でも慎重な議論がなされています。そのような「懐疑的な意見」や「安全性の確認を求める声」は、ワクチンの質を向上させるための大事な視点であり、むしろ社会にとって必要な役割を果たしているのです。無批判に信じることこそがリスクを招く可能性があるのではないでしょうか。
さらに、レプリコンワクチンが「複製」されると聞けば、確かに効率的に思えるかもしれません。しかし、人体内で増殖する外部物質が安全であることを保証するためには、これまでのワクチン開発とは比べものにならないほどの安全性試験が必要です。複製するたびに「更新」されるワクチンが実際に意図通りの働きをするのか、それが人体にどのような影響を及ぼすのかを証明することは並大抵のことではないでしょう。
もちろん、科学技術は進歩を遂げ、次々に新しい治療法が開発されていますが、効果と安全性を両立させるには時間と慎重な検証が不可欠です。新しい技術が登場するたびにすぐに「旧式は全て失敗だった」「これこそが真の成功だ」と断定するのは、むしろその技術を信じる者にとってリスクが高くなります。過去の失敗から学び、その上で確かなデータに基づいて判断を下すことが、何より重要です。
最終的に、ワクチンがどのように進化するにせよ、信頼できるデータと透明性があってこそ人々の支持を得ることができるのです。「つべこべ言わずに打て」というのは、その支持と信頼を得るための道としては、少々乱暴ではないでしょうか。